いなべ市で夏に見られる代表的な昆虫やちょっと珍しい昆虫の見つけやすい場所をご紹介します。散策やキャンプの際にぜひ探してみてください。
水辺の昆虫
水辺にくらす昆虫の代表格・トンボ。
水辺といっても、川や池、水田など環境は様々で、生息しているトンボの種も異なります。様々な水辺環境を訪れて、トンボの種類やその習性を比べてみましょう。
<水辺で見つけやすい昆虫>
キイトトンボ、チョウトンボ、ハグロトンボ、オニヤンマ、アキアカネ、ナツアカネ、シオカラトンボ
キイトトンボ
目を引く黄色いからだが特徴的な小型のトンボです。草の間を低く飛び、小虫やクモの幼生を狩る習性があります。水田や流れが少ない湿地で見られます。
オニヤンマ
日本最大のトンボで、頭部から腹部の先端までの大きさが90~110mmほどになります。
食性は肉食で、ガやハエ、ハチ、他のトンボ類などを捕食します。成虫は初夏から秋にかけて発生し、森林近くの小川などで見られます。
アキアカネ・ナツアカネ
赤いからだをもつアカネトンボのなかまで、田畑などの平地で見られます。
一見、両種の判別は難しく思われますが、実は胸部の模様に違いがあります。
下記を参考に見分けてみてください。
平地の昆虫
花壇や街路樹、公園など身近な環境にも昆虫たちが潜んでいます。少し足を止めて、いきものさがしにチャレンジしてみましょう。
<平地で見つけやすい昆虫>
アブラゼミ、クマゼミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、ナミアゲハ、モンキアゲハ、ジャコウアゲハ、アオスジアゲハ、ムラサキシジミ、ベニシジミ、クビアカツヤカミキリ
アブラゼミ
都市部の街路樹や公園、里山、山地まで幅広く生息するセミのなかまです。不透明な褐色の翅が特徴的で、体長は56~60mmほどになります。成虫はバラ科の樹木の樹液を吸うため、これらの樹木を探してみましょう。
モンキアゲハ
翅を広げたときの横幅(開長)が110~140mmにもなる大型のアゲハチョウです。名前の通り、黒色の後翅に白黄色の大きな斑紋があるのが特徴です。森林に近い平地や低山地でよく見られます。
クビアカツヤカミキリ
サクラやウメ、モモなどのバラ科の樹木を食害する特定外来生物で、近年その被害が全国的に拡大しています。いなべ市内での侵入報告はありませんが、近隣の市町村では被害が確認されており、差し迫った状況といえます。
本種の防除には、早期発見・駆除が非常に重要です。成虫はもちろん、樹木の根本に大量のフラス(木クズと幼虫のフンが混ざったもの)を発見した場合は、ただちに自治体にご連絡ください。
里山の昆虫
平地の昆虫たちを見つけられたら、今度は自然豊かな山々にも足を伸ばしてみましょう。夏の森林だからこそ出会える昆虫の観察チャンスです。
<里山でみつけやすい種>
カブトムシ、コクワガタ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、ヒラタクワガタ、ネブトクワガタ、ヤマトタマムシ、コムラサキ、ゴマダラチョウ、ルリタテハ
カブトムシ
日本の夏を代表する昆虫です。体長は20~60mmほど、オスの大きいものはツノを含めると90mmにもなります。成虫は夜間から朝方にかけて活動し、コナラやクヌギといった落葉樹林の樹液を吸います。
スミナガシ
コナラやクヌギなどの落葉樹の樹液に集まる、タテハチョウのなかまです。黒地に青緑色を帯びた独特の模様の翅をもち、これが絵画の技法の一つである「墨流し」に似ていることから和名が付けられました。昼の暑い時間帯にはあまり活動しないため、本種を観察する場合は夕方ごろを狙いましょう。日本の夏を代表する昆虫です。体長は20~60mmほど、オスの大きいものはツノを含めると90mmにもなります。成虫は夜間から朝方にかけて活動し、コナラやクヌギといった落葉樹林の樹液を吸います。
*昆虫は観察が終わったら元の場所に戻してあげるようにしましょう。
*周囲の安全には十分に配慮して観察を行いましょう。
*観察の際は田んぼや畑などの私有地に許可なく立ち入らないようにしてください。